スリランカ現地法人の資金調達

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スリランカ日系現地法人の資金調達では、特段の規制はありません。地場の金融機関からの借入は高利率のため、親会社からの増資か、親子ローンで賄うのが得策といえます。

  増資 現地借入 親子ローン(外貨融資)
資金の出し手 日本本社 地域統括会社 現地金融機関 日本本社 地域統括会社 国外金融機関
通貨 ルピー ルピー ルピー
現地法人の金利負担 なし あり(高い) あり
為替リスク なし なし あり(ヘッジ可)
資金使途 規制なし 規制なし 規制なし

1978年法律第4号、BOI法(スリランカ投資委員会法)第17章に準拠してBOIから認可を受けた企業で、かつ外国為替管理の規制を免除された企業は、外国為替管理の規制なしに外国から資金を借り入れることができます。しかし、かかるローンは外貨で返済する必要がありますので、ローン返済のためにスリランカ・ルピーを外貨に換える場合は、その都度、中央銀行の承認を得ることが必要です。なお、借入から発生する利息の送金については、その都度、内国歳入庁(Inland Revenue Department)に「Tax Clearance Certificate」を提出する必要があります。その他の企業(BOIから認可を受けていない企業)は、外国から資金を借り入れる場合、中央銀行の承認が必要ですが、承認を得られるケースは限定的なので注意が必要です。そのため、BOIの認可を得ておくことが重要になります。

なお、BOIの認可プロセスは次の通りです。

  • 申請書類をBOIに提出
  • 事業内容についての受領通知書を発行
  • 会社登録(会社登録局にて、ここで銀行口座を開設)
  • 正式な投資許可証を発行(用地承認、環境承認)
  • BOI契約書に合意署名
  • スリランカでの事業開始(VAT/TIN登録[内国税局]、輸出入登録[税関]
  • 適合証明書及び環境保護ライセンスの発行
  • 商業活動の開始

但し、2017年11月20日付の新外国為替法では、貸付期間が3年以上であれば、当局の許可なく貸し付けが受けられるようになりました。このため、以前はスリランカ国内の銀行から高金利で貸し付けを受けるか、増資を受けるかと手段に限りがあったのですが、日本の親会社から貸し付けを受けるという選択肢が増えたことになります。

(参考)基礎的経済指標

  2015年 2016年 2017年
実質GDP成長率 5.11% 4.47% 3.11%
名目GDP総額 79.6(10億ドル) 81.0(10億ドル) 87.6(10億ドル)
一人当たり名目GDP 3,795USD 3,819USD 4,085USD
政策金利 15.00% 15.00% 15.00%
米ドル為替レート (期中平均) 135.86ルピー 145.58ルピー 152.45ルピー
為替相場管理 単一自由変動為替相場制

出所:JETRO

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