台湾の現地法人の資金調達は、増資、親子ローン、地場の金融機関が可能です。
増資 | 現地借入 | 親子ローン(外貨融資) | |
資金の出し手 | 日本本社 地域統括会社 | 現地金融機関 | 日本本社 地域統括会社 国外金融機関 |
通貨 | 台湾ドル | 台湾ドル | 台湾ドル・日本円・米ドル |
現地法人の金利負担 | なし | あり(高い) | あり |
為替リスク | なし | なし | あり(ヘッジ可) |
資金使途 | 規制なし | 規制なし | 規制なし(一部あり) |
注意点としましては、次の通りです。
- 台湾中央銀行への申請(民営企業中長期外債申請)が必要です。なお、許可を取得するまで約1週間くらいかかります。
- 台湾中央銀行への申請の段階で、現地語(あるいは英文)の契約書が必要になります。
- 融資金額は1年間上限が累計で5,000万USDになります。1年以下の場合、上限を超えなければ届け出は不要です。なお、この届出を行うと、当該年間上限金額の対象に算入されません。
- 中央銀行への提出書類土地手、融資を実行する金融機関の財務諸表(年次、四半期どちらでも可)の提出が必要です。
- 台湾国内に支店を有する日系銀行の場合はクロスボーダーの貸し付けができません。
- 融資実行後、3か月ごとに貸付残高金額を台湾中央銀行に申告しなければなりません。
- 借入金の利息に対して20%の源泉徴収義務が生じます。
- 中央銀行から外債編号を取得していない場合には、営利事業所得税(法人税)の計算で、借入利息の損金算入が認められません。
- 非移住者による台湾ドルの取扱いは制限されており、台湾ドル建てで親子ローンを行うことができないため、ローンの契約通貨は外貨建て(日本円や米ドル)となります。このため、通常は台湾の現地法人が為替リスクを負担します。但し、契約金額に「○○台湾ドル相当の日本円」とすることで、実質的に台湾ドル建ての親子ローンとすることも可能。この場合、日本の親会社が為替リスクを負担することとなります。
(参考)基礎的経済指標
2015年 | 2016年 | 2017年 | |
実質GDP成長率 | 4.0% | 0.7% | 1.5% |
名目GDP総額 | 503.5(10億ドル) | 525.2(10億ドル) | 528.6(10億ドル) |
一人当たり名目GDP | 22,639USD | 22,358USD | 22,453USD |
政策金利 | 1.9% | 1.6% | 1.4% |
米ドル為替レート (期中平均) | 30.4台湾元 | 31.9台湾元 | 32.3台湾元 |
為替相場管理 | 変動相場制 |
出所:JETRO
なお、日本政策金融公庫は2015年5月27日に台湾大手商業銀行の「合作金庫銀行」と「スタンドバイ・クレジット制度」にかかる業務提携契約を締結しております。