バングラデシュ現地法人の資金調達

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バングラデシュにおいて、駐在員事務所では外国送金が原則不可であり、支店の場合は原則不可で、別途免除手続きが必要となることに注意が必要です。なお、駐在員事務所(連絡事務所)は、バングラデシュ投資庁(BOI)のガイドラインに従い、BOIとバングラデシュ銀行(中央銀行)の承認を得て設立することになります。

他国と同様に、活動範囲は現地企業との連絡調整、情報収集業務などに限られ、利益を得るための事業活動の一切が認められておりません。しかし、駐在員事務所であっても、ビジネスに従事するケースも散見され、税務当局にみなし課税を課されたケース(国内源泉所得の37.5%)もあるので、活動内容は限定する必要があります。

また、開設許可を受けてから2ヵ月以内に、設立資金と6ヵ月分の運営費用として、最低でも5万ドルを事務所口座に送金しなければならず、設立費用は決して安いとはいえず、また、日本人駐在員の労働許可証(Work Permit)を申請するに当たっては、非公開ではあるが、BOIのガイドラインとして、年間給与が2万5,000ドル以上であることが求められ、それを下回る場合、許可を留保されるケースが相次いでいるとのことです。

なお、資本金5億タカ以上は証券取引所に上場しなければならないとあり、増資の金額にも注意が必要です(1タカ=1.32円で計算すると6億6千万円程度で上場手続を迫られる)。

  増資 現地借入 親子ローン(外貨融資)
資金の出し手 日本本社 地域統括会社 現地金融機関 日本本社 地域統括会社 国外金融機関
通貨 タカ タカ タカ
現地法人の金利負担 なし あり(高い) あり
為替リスク なし なし あり(ヘッジ可)
資金使途 規制なし 規制なし 規制なし

現地での借入れについて、外国人が経営またはオーナーのバングラデシュ国内企業(製造業または非製造業)は、国内銀行から、通常の顧客取引基準に準じて現地通貨建ての運転資金の融資、またはタームローンを受けることができます。タカ建てタームローンは、BB (バングラデシュ銀行[中央銀行])の事前承認なく利用できますが、以下の2点に注が必要です。

  • ローン総額は、バングラデシュ人の資本持分を超えてはいけません。
  • 負債総額は、会社の総資本額を超えてはいけません。

また、EPZ (輸出加工区)内の合弁企業に対し、海外から調達した外貨建て短期融資額を上限とし、現地通貨建て融資を提供することができます。

親子ローンを含めた、海外からの外貨建て融資を受けるには BOI(投資委員会 の事前承認が必要です。借り入れの申請書は、同封のチェックリストに従って、添付書類とともに BOI に提出します。また、申請書の審査においては、BOI は中長期の融資に優先権を与えます。全ての書類の入念な審査が終わると、承認のために BB 総裁が率いる委員会に提出され、当該融資元本、利息の返済は、契約条件に基づき AD (公認ディーラー)を通じて行うことができます。但しEPZ 内の 100%外国資本企業および合弁企業は、BOI、BB の事前承認なく海外の銀行、金融機関から外貨建て融資を受けることができます。

以上から、多すぎる増資は証券取引所上場コストがかかり、増資を増やさないと借入にも制限が出てきます。巨額の資金を必要とする進出の際は、輸出加工区を検討するとベターです。

(参考)基礎的経済指標

  2015年 2016年 2017年
実質GDP成長率 6.84% 7.20% 7.14%
名目GDP総額 208.3(10億ドル) 235.6(10億ドル) 261.4(10億ドル)
一人当たり名目GDP 1,303USD 1,459USD 1,602USD
政策金利 5.00% 5.00% 5.00%
米ドル為替レート (期中平均) 77.95タカ 78.47タカ 80.44タカ
為替相場管理 管理変動制

出所:JETRO

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