効果的な統括会社の使い方

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地域統括会社は、傘下にある事業子会社の戦略の作成、経営管理、リスクマネジメントを行います。地域統括会社をどこに置くかですが、地域統括会社の設立・管理が容易であり、人材面も含めたインフラが整っている国を選択すべきということになります。税務上の観点からは地域統括会社の所在地国が備えるべき要素は次の通りです。

(a) 租税条約のネットワーク
統括会社は傘下の事業子会社から配当を受け取る場合、その事業子会社の所在地国で配当源泉税を課されます。租税条約があればその配当源泉税が提言される可能性が高くなります。日本の親会社への配当に当たり、その元株会社の所在地国で源泉税が課されますが、日本の親会社にとって税務コストとなるため、日本の租税条約も重要になります。

(b) 受取配当に係る課税
統括会社は傘下の事業子会社からの配当が主な収入となりますので、配当への課税がないか、軽減されている国が望ましいことになります。

(c) 支払配当に係る源泉課税
現地国内法または日本との租税条約により、支払配当に源泉税が課されないか低税率であることが求められます。日本の親会社にとっては、外国子会社配当益金不算入制度において、配当源泉税が税務コストとなります。

(d) 傘下の事業子会社売却時のキャピタルゲイン課税
持ち株会社が参加の事業子会社を再編する場合、あるいは事業撤退の局面で、傘下の事業子会社を売却する場合、持ち株会社の所在地国でキャピタルゲイン課税がない、あるいは軽減されている国が望ましいことになります。

(e) 統括会社に対する優遇税制
統括会社に軽減税率等の税務上のインセンティブを与えている国があります。

(f) 日本のタックスヘイブン対策税制への影響
持株会社所在地国の税率が安いことが望まれますが、統括会社に対する日本のタックスヘイブン対策税制の適用の有無についても確認しなければなりません。

(g) 日本のタックスヘイブンに相当する制度の有無
持株会社の所在地国に日本のタックスヘイブン対策税制に相当する制度がある場合、
統括会社に同制度が適用され、傘下の事業子会社の所得が合算される可能性があります。この場合、日本のタックスヘイブン対策税制に加えて、持株会社所在地国における同制度の適用も避ける必要があり、統括会社に対する制約が多くなります。

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