配当に関する海外の特殊事情

現地の配当源泉税は親会社にとっての税務コスト(いわゆる取られ損)になりますから、資金還流の点からは配当源泉税率の低い国に子会社があれば望ましいことになります。主要アジア諸国の配当源泉税率は次の通りです。

続きを読む

海外子会社からの配当に関する留意事項

海外事業に投資をした場合には、どのように利益を還流させるかも考えておかなければなりません。それは配当という形なのか、あるいは利息という形なのか。場合によっては海外子会社の売却によるキャピタルゲインもあるでしょう。このときに、資金還流手段の税務上の取り扱いはそれぞれ異なります。また、グローバル企業であれば、日本国内に完全に資金を還流させなくてもよいでしょう。シンガポールに統括会社を置き、そこに利益を還流させて、留保し、グループ企業のファイナンシャルセンターとして、各国への資金供給機能を持たせることもできます。

続きを読む

PE認定リスク

日本の親会社が中国の子会社に出向者を派遣する場合、その出向者の派遣が中国の税務当局によりPE認定され、現地での課税が発生する問題が生じています。

続きを読む

移転価格税制における事前確認制度

相互協議が事後対策であるとした場合、事前確認制度は事前対策になります。事前確認制度(APA:advance pricing arrangement)とは、独立企業間価格の算定方法の合理性等について、税務当局が事前に確認する制度を言いまして、企業が確認された内容に基づいて申告を行う場合には、移転価格税制は適用されないことです。

続きを読む

二重課税になってしまったときの相互協議について

移転価格課税された場合には、国際的な二重課税が発生していることになります。中国には追跡管理制度があり、一度移転価格課税が行われますと、その年度から後の年度では(5年間)、対象期間の利益率が課税を受けた際の利益率を下回った場合には、課税を受けた際の利益率を基準として引き続き課税が行われます。

続きを読む

国税庁による役務取引の有償性判断について

日本の親会社は、海外子会社に対して、財務、管理等の広範囲な支援を行っており、日本の親会社はその対価を回収すべきこととされています。役務提供の有償性の判断については国税庁が以下の通り明確にしています。

続きを読む

使用料の源泉税率について

海外子会社の使用料は、独立企業間価格であれば、損金算入が認められます。取引単位営業利益率法で考えますと、海外子会社の営業利益率が比較対象会社と比較して高すぎれば、日本の税務当局に使用料の低さを問題視され、低すぎれば海外現地の税務当局に使用料の高さを問題視されます。サーカスの綱渡りのように、綱の上を歩っている分には落ちませんが、少しでもずれたら落下するという感じですね。

続きを読む